自己破産や個人再生について
1.自己破産
自分の全財産で借金を返そうとしても、すべての借金を返すことができなくなった場合(支払不能状態)に、強制的に財産を金銭に換え、全債権者に公平に分配し清算することで、破綻した生活を立て直し、再出発するための裁判上の手続きです。自己破産手続により免責決定を得ることで、借金の支払い義務がなくなります。
個人の破産手続には、①同時廃止事件②小規模管財事件の2通りの手続きが多く利用されます。どちらの手続になるかは、財産の状況や破産に至るまでの経緯等によって異なります。
① 同時廃止事件
財産が少なく、処分して金銭に換価しても破産手続の費用にも足りないことが明らかな場合、特殊な事情がない場合にとられる手続です。この場合、破産管財人は選任されず、債務者の財産を管理したり、処分して配当したりするようなことはありません。多くの場合、同時廃止手続の申立てをすることとなりますが、同時廃止手続を申立てしても裁判所の判断で小規模管財手続に移行される場合もあります。
② 小規模管財事件
完済できるほどではないが財産がある場合、お金の流れに使途不明なお金がある場合、個人事業主などでお金の流れが複雑な場合など、特殊な事情がある場合にとられる手続です。
この手続きになると・・・
◎ 破産管財人が手続をチェックします。
裁判所に選ばれた破産管財人は、債権額の調査を行ったり、配当すべき財産はいくらあるのかを調査したり、財産を換価して債権者に対して配当したりします。また、お金の流れや、申立人の事情などをチェックして免責についての意見を裁判所に対し報告します。
◎ 追加の予納金(30万円万円程度)が必要になります。
◎ 自由財産拡張の申立てを行い、特別な事情により生活していく上で必要な財産の確保をお願いすることができます。裁判所は、申立てに基づき破産者の生活状況や財産の種類等さまざまな事情を考慮し判断します。
◎郵便物が破産管財人のところに転送され管理されます。
◇ 免責手続
破産手続と並行して行われる債務の支払義務をなくすための手続です。個人債務者の場合は、破産手続開始の申立をすれば、それと同時に免責の申立があったとみなされます。裁判所は、破産者及び債権者から事情を聞き、借金を免除することが適当か、また免責不許可事由がないかを確認します。その結果、免責が相当であると判断されると「免責許可決定」がされます。これが確定することにより、初めて借金の支払義務がなくなります。
ただし、税金や国民健康保険料、養育費等については免責の効力が及ばないため、これらについての支払義務は残ります。また担保権についても免責の効力が及ばないので、担保権の実行(抵当権による不動産競売の申立等)は止めることができません。
◇ 免責不許可事由
・浪費やギャンブルをしていたことなどがある場合
・お金を借りる際などに財産状態を偽るなどの嘘をついた場合
・裁判所に虚偽の報告をして財産を隠そうとした場合
・一部の債権者を除くなど偽りの債権者名簿を提出した場合
・破産者が過去7年以内に免責されている場合 など
上記の事由等があるときは、原則として免責が許可されません。ただし、そのような場合であっても、その内容、破産に至った経緯、更生の可能性等の様々な事情を考慮して、裁判所の裁量により、例外的に免責が認められることもあります。
2.個人再生
個人再生とは、多額の負債を抱えた方が完全に支払不能となり破産状態に陥る前に、経済的再建を図るために設けられた制度です。現在の収入や生活状況を考慮し、負債の総額に対する弁済率と分割方法について再生計画(弁済計画)を立て、その計画が裁判所に認可されることにより、再生計画に沿って債務が減額されて原則3年間(最長で5年間)で分割弁済していくことになります。個人再生では、一定の要件を満たせば、住宅ローン特則を組み合わせて利用することによってマイホームを維持しながらの債務整理も可能となります。
個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2種類の手続きがあり、これらの手続きの利用にあたり次の要件を満たす必要があります。
◇ 小規模個人再生の利用要件
① 経済的に困窮しており、将来的に支払不能となるおそれがある
② 将来において定期的かつ安定した収入が見込めること
③ 債務の総額(住宅ローンを除く)が5,000万円以下であること
◇ 給与所得者等再生の利用要件
上記の小規模個人再生の①~③の要件に加えて、
④ 給与等の定期的収入があり、その変動幅が小さいこと
※給与所得者等再生の場合、その他に申立制限があり、次の場合には利用できません
・過去7年以内に、給与所得者等再生を利用して再生計画を完遂した場合
・過去7年以内に、ハードシップ免責を得た場合
・過去7年以内に、破産免責を得た場合

再生計画に基く弁済総額は次の額を下回ることができません。
下記の基準に従い再生計画で定めた弁済総額を原則3年間で分割して支払っていくことになります。
・小規模個人再生・・・・①、②の内いずれか高い額
・給与所得者等再生・・・①、②、③の内のいずれか高い額
① ↓図に記載される基準債権総額に対する最低弁済額
② 清算価値…仮に破産手続きをとった場合の配当総額
③ 可処分所得…民事再生法241条2項7号に定める額
| 基準再建総額 | 最低弁済額 |
| 100万円未満 | 基準再建総額 |
| 100万円以上 500万円未満 | 100万円 |
| 500万円以上 1500万円未満 | 基準再建総額の5分の1 |
| 1500万円以上 3000万円未満 | 300万円 |
| 3000万円以上 5000万円未満 | 基準再建総額の10分の1 |
3.その他の業務
司法書士法第3条に定める業務について、司法書士は業務をすることができますので、ご相談ください。
・簡裁訴訟代理等関係業務
簡易裁判所で扱うことのできる、争いになっている価額が140万円を超えない範囲の民事事件について、代理業務を行うことができます。
・供託
家賃を支払いたいのに、貸主が家賃の値上げを主張し、これまでと同額の家賃を受け取ってもらえないような場合や、お金を返したいのに貸主が死亡し誰に支払っていいの
やまざき司法書士事務所
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